建設業の社会保険加入と人事労務:押さえておきたい社会保険制度のしくみを解説いたします。

こんにちは。渋谷区の特定社会保険労務士の高山英哲です。https://www.1roumshi.com/
前回は、雇用契約書・労働契約書・労働条件通知書の作成方法を解説しました。

いかがでしたか?

https://www.1roumshi.com/social-iur-paion-and-the-psnel/

今回は、建設業の社会保険加入と人事労務について、押さえておきたい社会保険制度のしくみを考察していきます。あなたと、一緒に考えていきましょう。

まずは、社会保険制度のしくみを、厚生年金保険・健康保険の適用事業所について、おさえておきましょう。厚生年金保険・健康保険(以下「厚生年金保険等」という。)では、事業所を単位に適用されます。

厚生年金保険等の適用を受ける事業所を適用事業所といい、法律によって加入が義務づけられている事業所を「強制適用事業所」といいます。

ここは、しっかりおさえておきましょう。法律によって加入が義務づけられていることを!社会保険は任意保険ではありませんからね。

法律によって加入が義務づけられている事業所である「強制適用事業所」の定義。ここは、忘れないでくださいね。「強制適用事業所」について、具体的に掘り下げてみていきます。

強制適用事業態 強制適用ではない事業態
 次の事業を行い、常時5人以上の従業員を使用する事業所

製造業、鉱業、電気ガス業、運送業、貨物積卸し業、物品販売業、金融保険業、保管賃、貸業、媒介斡旋業、集金案内広告業、清掃業、土木建築業、教育研究調査業、医療事業、通信報道業、社会福祉事業 (以上16事業態) 
 第1次産業(農業・林業等)、サービス業(飲食店一理容理髪等)、法務(弁護士、会計士等)、宗務(神社・寺院等)
 常時従業員を使用する国・地方公共団体又は法人の事業所

※厚生年金保険等では、採用及び退職した被保険者の氏名や報酬を事業主が年金事務所に届け出る必要があるため、法人単位ではなく、人事・労務管理を実際に行っている事業所を単位に適用しています。 なお、人事・労務管理を本社で集中して行っている企業であれば、法人全体を一括して1つの適用事業所としている場合もあります
(一括適用事業所)。

個人事業主の場合は、業種、人数によって考える必要があります。
株式会社、有限会社の場合は、業種、人数によって考える必要はありません。

株式会社、有限会社の場合は強制適用です。
社長、取締役、従業員の意思は関係ありません。

社長、取締役は会社に使用されるという考えがありますから。社長一人だけの法人でも加入義務があります。
注意してくださいね。

健康保険については、国保組合へ加入している事業所があります。
あなたの会社は、いかがですか?国民健康保険組合へ加入していますか?

国民健康保険組合の位置づけは、次のとおりです。

国民健康保険組合(以下「組合」という。)は、同種の事業又は業務に従事する者で、当該組合の地区内に住所を有するものを組合員として、国民健康保険事業を運営することが認められた保険者であり、国民健康保険法上の公法人であす(法第13・14条)。組合員とその世帯に属する者※を被保険者とする(法第19条)。※被用者保険の被保険者等を除く

続いて、次のとおり、組合員の資格要件をみていきましょう。

組合員の資格要件
(1)同種の事業又は業務に従事する者
(2)当該組合の地区内に住所を有する者
(3)組合に使用される者
(4)健康保険の適用除外承認を受けた者

①本来、健康保険の適用事業所に使用される者であっても、健康保険法第3条第1項第8号の規定に基づき、適用除外承認を受けた者は、組合の被保険者となることができます。

②この制度は、組合の被保険者が事業所の法人化等により健康保険の適用要件を満たすことになっても、当該国保組合の事業運営上、加入を継続することが必要と認められる者もいるので、年金事務所の承認を受け、健康保険の適用を除外し、組合の被保険者を続ける途を開いたもの。

③適用除外が認められる者は、国民健康保険事業の運営上必要とされる者に限られる。

 現在も国民健康保険組合へ加入している、法人も決して少なくないでしょう。ただ誤った手続きをしているケースもあります。

次回では、おさえておきたい、国民健康保険組合と厚生年金保険加入の手続きの関係を、あなたと一緒にみていきます。

【参考】社会保険制度について

渋谷区の特定社会保険労務士の高山英哲でした。https://www.1roumshi.com/