厚生労働省は2月16日に行われた労働政策審議会労働条件分科会の会合で、
労働時 間法制の見直しに向けた同分科会報告書の骨子案をたたき台として提示しました。

この中で、36協定の締結や割増賃金の支払い義務を除外する、いわゆるホ
ワイトカラー・エグゼンプションについて、「特定高度専門業務・成果型労働制
(高度プロフェッショナル労働制)」という新たな枠組みを設けることを提示。

その骨子案として次のような内容を掲げています。

①対象業務
 「高度の専門的知識等を要する」や「業務に従事した時間と成果との関連性が
 強くない」などの性質を満たすものとし、例として金融商品の開発やディーリ
 ング、企業・市場等の高度な分析、コンサルタントなどの業務を提示。具体的
 には法案成立後に審議会で検討を行った上で省令で規定

②対象労働者
 書面による合意に基づく職務の範囲内で労働する労働者で、平均給与額の一定
 倍を相当程度上回ることを要件として設定。具体的な年収額は、労働基準法
 14条で有期雇用契約期間の例外対象となる、高度な専門的知識等を有する労働
 者の告示内容(1075万円)を参考として、法案成立後に審議会で検討を行った
 上で省令で規定

③長時間労働防止措置等
 事業場の内外で働いた合計の「健康管理時間」を把握し、これに基づいて措置
 を講じる。長時間労働防止措置は、労使委員会の5分の4以上の決議により、
①24時間について継続して一定以上の休息時間を与える(インターバル規制)、
②健康管理時間が1カ月につき一定の時間を超えないこととする、
③4週を通じ4日以上かつ1年を通じ104日以上の休日を与える。
のいずれかを講じることを制度導入要件とする。

健康管理時間が週40時間を超え、その超えた時間が月当たり100時間を超えた
労働者については医師による面接指導を義務づけ、これに違反した場合は罰則を
適用これらに対して労働側は、インターバル規制や上限規制が選択的措置に加え
られたことを評価する一方、高度プロフェッショナル労働制そのものの必要性
や過重労働リスク等の問題を改めて指摘し、導入反対のスタンスを示しています。

【参考】
【今後の労働時間法制等の在り方について(報告書骨子案)】
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12602000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Roudouseisakutantou/0000071224.pdf