●監督 アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ
●出演 ブラッド・ピット 、
ケイト・ブランシェット
ガエル・ガルシア・ベルナル
役所広司 、菊地凛子 、二階堂智
レビューでの厳しい評価。
ストーリー展開が、複雑で理解できない。
メッセージが伝わらない等。
アカデミー賞候補の作品だったのに・・・・
そんなに駄作なの?
私なりに
オスカー候補になった理由を
探し求めながら観た。
ストーリーは4つ。
同時に併行して、すすんでいく。
●3人目の子供を亡くし、モロッコを旅するアメリカ人夫妻。
●その夫婦の子供を世話する、メキシコ人の乳母と彼女の甥。
●モロッコの山中に住む、銃に興味をもった兄弟。
●母親の自殺でPTSDになった、聴覚障害の女子高生と彼女の父。
それぞれ、代わる代わるシーンが交差する。
そのため、時系列や背景を
おっかけていくので
最初は理解するのに、
少し苦労します。
ただ話が、つながってくる中盤から
スクーリーンの中へ
引き込まれる。
4つの国があり
4つの登場人物があり
4つのストーリーがあり
それが、1つの出来事によって
全て、つながってくる。
これが、観えてきて
理解できると
「う~ん おもしれぇ~ この映画」
と思えるでしょう。
だから143分間は
メッチャ、短く感じます。
夫婦、親子、兄弟は
一緒に暮らしながら
気持ちを、深く根づかせ
絆を築き上げていく。
長い年月をかけて。
それでも、自分の想いを
言葉で上手く説明できなかったり
切実に訴えたいのに相手には、伝わらない
ことが あるはず。
そうなんだよぉ~・・・ねぇ・・・
「ある!ある!ある!」と認めるシーンが
少なくありません。
だから、自分の想いが
伝わらないために、孤独に陥る。
その寂しさを、紛らわすための行動を
愚かだと思っても
止めることができない。
判断を誤ったことは、
後になってから、
初めて、その代償の大きさを、痛感する。
ただ、それを救えるのは
夫婦であり
親子であり
兄弟であり
心が通い合う仲間でることを
再確認できる。
間違いない!
確かに、
登場人物も多く
描かれていない部分、
消化できないシーンもあるけど。
作品が主張している
「観えてこない空間」は
想像しながら
自分の中で、うめることが必要だ。
これって、すばらし映画を観た後の
楽しみの 一つでもある。