渋谷区の社会保険労務士です。

高山英哲こんにちは、高山英哲です。

あなたと、本日協議するのは「飲食業・外食産業の店舗で
週休3日制が可能か、否か」である。

いま、週休2日制企業も、ここにきて週休3日制など、
休日数を増加する検討をはじめた。

それは、休みの日を増やしても、
店舗はまわっていくからでは、ない。

また、優秀な人材が豊富で、すでに余裕をもって
店舗運営ができている、といったことでも、ない。

いちばんの問題は、人手不足が深刻化しているからだ。

 

そう、いわゆる「飲食業・外食産業=ブラック」といったものを
払拭することが、導入に踏み切る、いちばんの狙いである。

こうした、「週休3日制」を運用することで、
育児や介護との両立、ワーク・ライフ・バランスの実現、
待遇改善による人材獲得へのアピールへとつながる。

しかしながら、「週休3日制」で、
解決すべき課題は、山積みだ。

例えば、必要人員の確保、従業員視点みれば
残業代減少による収入減、といった悩ましい事案もある。

 

あなたも、知ってのとおり、政府が推進する
「働き方改革」では、一億総活躍社会の実現を目指している。

女性、高齢者、障害者等の社会参加を推進していくためにも、
多様な働き方を選択できることは、重要なポイントだ。

これは飲食業・外食産業も、例外ではない。

そのためにも、週休3日制は、
有力な選択肢であることは、間違いない。

【厚生労働省:労働時間制度】
http://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/jikan/syurou/08/3a.html


私の事務所へも、この「週休3日制」の運用の
相談件数は、増加が続いている。

そこで、今回は、私たちで飲食業・外食産業の
労務管理としての「週休3日制」の課題を考察していく。

気になる点のチェック事項を交え、私たちで、
ステップ・バイ・ステップで、協議をしながら、
すすめていく。

特に今まで『飲食業・外食産業の週休3日制
考えがなかった場合、必ず大きなギフトを、得るはずだ。

果たして『飲食業・外食産業の週休3日制』を
導入できるのか?

結論は、ブログを読んあとの、
お楽しみ、ということで、早速すすめていく。

 

飲食業・外食産業が、押さえておくべき、人手不足解消に必要な2つの、こと

まず、本題に入る前に、確認すべきことがある。

それは近時の労働力などの課題だ。

いま、少子高齢化で労働力人口の減少、
人手不足の深刻化を背景がある。

これらの課題から「働き方改革」が
提唱されるようになった。

人手不足を解消に必要なことは、次の2点だ。

①女性や高齢者などの従業員を増やす。
②労働生産性を上げる。

この2点を、まず念頭においてほしい。

それは、なぜか。

この前提条件が、頭の中にあるか否かで、
実行可能性の確立を高めることが、できるからだ。

 

週休3日制、5つの方法

 厚生労働省「平成29年就労条件総合調査」によれば
「完全週休2日制より休日日数が実質的に多い制度」の
導入率は、全体で8.9%だ。

週休3日制の導入に当たって、
やみくもに、実行するは、避けてとおりたい。

なぜならば「実現可能性」が低くなるからだ。

スタートするえで、あなたは、飲食業・外食産業に
限らず他の業種をふまえ、考えるべきだ。

通常は「週休3日制の導入方法」は、次の5点だ。

①1週間の所定労働時間は変えず、勤務日を週4日にする。つまり、1日の所定労働時間を、8時間から10時間に延ばし、給与水準は変えない方法だ。

②1日の所定労働時間、1週間の所定労働時間、給与水準を、全て減少し、週休3日制とする方法。

③在宅勤務、サテライトオフィスの利用で、テレワークとの併用をする方法。

④社員に対象を限定する方法(育児・介護休業者など)。

⑤週休2日のほかに週1回、従業員の裁量に委ねた、フリー出勤日制度を設ける方法。

あなたの会社では、どうか。何とか運用できそうな、ものはあるか。

事務職のスタッフの場合は、①~⑤の、いづれも可能だろう。

しかしながら、飲食業・外食産業の店舗ではたらくスタッフの仕事内容で考えると、いちばん運用しやすいのは①だ。

この①の方法は、1日の所定労働時間8時間×週5日=40時間という勤務を見直し、1日の所定労働時間10時間×週4日=40時間となるから、比較的運用はでき、実行可能性も高いといえる。

これを踏まえて考えていくと、多くの会社で、「週休3日制」で、結果を出している店舗は「1ヶ月単位の変形労働時間制」を、つかっている。

 

変形労働時間制とは?

「変形労働時間制」とは、どのような制度か。

それは「一定の単位期間について、週あたりの平均労働時間が週法定労働時間の枠内に収まっていれば、1週または1日の法定労働時間の規制を解除することを認める」といった制度だ。

たとえば、単位期間を4週間の場合、多忙の月末の所定労働時間を45時間と設定しても、その他の週の労働時間を短くするで、平均労働時間を40時間以内であれば、所定労働時間が45時間の週が、労働時間が40時間を超えも(45時間以内に収まっているかぎり)労働基準法32条1項の違反とはなら、ない。

そもそも、労基法32条の定める1週40時間・1日8時間という労働時間の原則は、あくまで各週や各日ごとに規制を行うものだ。

そのため、ある週の労働時間が40時間を超え、ある日の労働時間が8時間を超えた場合、他の週や日の労働時間が短くとも、労基法の上限を超えていく。

それでは、上限を超えても、問題ないのか?

ひとことで言えば、労使協定(36協定)を締結しない限り、違反となる。

しかし、変形労働時間制の導入で、労働時間を平均し週40時間を超えるか否かにより、労基法違反の有無を考えるのが原則となる。

 

昨今注目されだし、新聞報道、ニュースよれば、ユニクロ、ヤフーグループのIDCフロンティア、佐川急便なども運用している。

ここからは、他社の成功事例を具体的にみて、いこう。

 


1週間の所定労働時間は変更なしで、勤務日は週4日で、週休3日制にする方法

それでは、飲食業・外食産業、週休3日制へ向けた
「1箇月単位の変形労働時間」の方法を解説する。

1箇月単位の変形労働時間制を運用する場合は、
労使協定又は就業規則など次の4点を定める、必要がある。

 

①変形労働時間制を採用する旨の定め

労使協定、就業規則で「1ヶ月変形労働時間制」を
採用することを、明示する。

 

②労働日、労働時間の特定

変形期間における各日、各週の労働時間をあらかじめ具体的に定めておく必要がある。

各日の労働時問は、単に「労働時間は1日8時問とする」という定め方ではなく、長さのほか、始業および終業の時刻も具体的に定め、かつ、これを労働者に周知することが必要だ。

 

③変形期間の所定労働時間

変形期間の労働時間を平均して1週間の労働時間は法定労働時間を超えないこととされている。したがって、変形期間の所定労働時間の合計は、次の式によって計算された範囲内とすることが必要だ。

1週間の法定労働時間×変形期間の暦日数(1箇月以内)÷7日(1週間)
 
計算すると、1箇月の労働時間の総枠は下記のとおりだ。

 

④変形期間の起算日

変形期間の「始期」を明らかにしておく、こと。意外と忘れがちなてんだ。ここは押えておこう。

 

労使協定と就業規則で、考えることは、ひとつだけ

つづいて、週休3日制にするうえでは不可欠である、労使協定の締結と就業規則の作成について触れていく。

考えることは、運用をするまえ、「事前」に、事業所内で協議をしておくことだ。

早速、チェックポイントを、みていこう。

(1)労使協定の締結

労使協定を締結する場合には、①変形期間と変形期間の起算日、②対象となる労働者の範囲、③変形期間中の各口及び各週の労働時間、④協定の有効期間について協定し、所轄労働基準監督署長に届出を行う必要がある。

しかしながら、1箇月単位の変形労働時間制は、労使協定によるだけでなく、就業規則に規定することでの運用も、可能だ。どちらで、すすめるかは、あらかじめ、社内で協議すること。


1箇月単位の変形労働時間制労使協定書

 

 

(2)就業規則の作成

常時労働者を10人以上使用している事業場については、就業規則の作成・届出義務がある。

1箇月単位の変形労働時問制を採用する場合は、就業規則に、①変形期間と変形期間の起算日、②対象となる労働者の範囲、③変形期間中の各口及び各週の労働時間、④協定の有効期間を記載し、就業規則(変更)届を所轄労働基準監督署長へ届出しなければならない。

就業規則規程例)週休3日制

とはいえ、労働者9人以下の事業場については、労働基準法上就業規則の作成・届出義務はない。

したがって、労使協定を締結するか、就業規則に準じ、書面に記載して規定することで、1箇月単位の変形労働時間制を採用できる。

もちろん、この書面は労働者に周知する必要がある。ここは押さえておこう。

 

知っておきたい、週休3日制場合での、割増賃金の支払い方法

最後は、割増賃金の支払い方法だ。

労働時間が法定労働時間を超える場合には、その超える時間について割増賃金を支払うことが必要だ。

ひとことで言えば、次の3つの時間については時間外労働となり、割増賃金を支払う必要がある。

① 1日の法定労働時間外労働

労使協定又は就業規則等で1日8時間を超える時間を定めた日はその時間、それ以外の日は8時間を超えて労働した時間。

つまり1日10時間を「越えた時間」に対して、割増賃金の支払いが必要になる。

② 1週の法定労働時間外労働

労使協定又は就業規則等で1週40時間を超える時間を定めた週はその時間、それ以外の週は1週40時間を超えて労働した時間(①で時間外労働となる時間を除く。)

つまり1週40時間を「越えた時間」に対して、割増賃金の支払いが必要になる。

③ 対象期間の法定労働時間外労働

対象期間の法定労働時間総伜(40時間゛×対象期問の暦日数÷7日)を超えて労働した時間(②又は③で時間外労働となる時間を除く。)

以上述べたとおり、飲食業・外食産業の店舗では、週休3日制の導入は、可能である。

「働き方改革」が叫ばれている中、あなたの店舗でも、
ポイントを押さえれば、「週休3日制」の導入は、
決して、難題なものではない。

是非、スタートをきってほしい。

最後まで、お付き合いいただき、ありがとうございました。

あなたの会社の、改善の一助になれば幸いである。

渋谷の社会保険労務士の高山英哲でした。お客様皆様の声
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