渋谷区の社会保険労務士です。
こんにちは、高山英哲です。
本日、あなたと、協議するのは「副業・兼業のメリット・デメリット。働き方改革をふまえた,企業の歩き方」である。
ふたつ以上の仕事で、キャリアを磨く、副業。
果たして、本当に可能なのか。実現可能性は、高いのか。
厚生労働省では、「働き方改革実行計画」(平成29年3月28日 働き方改革実現会議決定)を踏まえ、副業・兼業の普及促進を図っている。
【厚生労働省:副業・兼業】
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000192188.html
終身雇用は崩壊の中、自分の人生を会社に託すことは、できない。と、いった考えもあるだろう。
こうした背景からいえば、将来へ向かって、私たちは単線型キャリアには安住できない、ということだ。
いま、このブログをお読みの、あなたは、どうだろうか。
「今の仕事で、いっぱい、いっぱいの中、複数の仕事をするなんて、あり得ない」と思いながらも。。「政府が副業を推奨することを、チャンスとし、やりたかった仕事にチャレンジしたい!」そんな思いを、抱えている方も、少なくないだろう。
そこで、今回はあなたと「副業・兼業のメリット・デメリット。働き方改革をふまえた,企業の歩き方」にこだわって、解決へ向けたゴールへ走り出すことと、する。
事例も交え、私たちで、ステップ・バイ・ステップで、協議をしながら、すすめていく。特に今まで『副業・兼業』の考えがなかった場合、必ず大きなギフトを、得るはずだ。果たして、『副業・兼業』は、うまくいくのか。
結論は、ブログを読んあとの、お楽しみ、ということで、早速すすめていく。
ステップ1 かつて禁止の「副業・兼業」を、政府がすすめる理由
政府による働き方改革の議論が始まって1年が経過した。その議論テーマの一つに盛り込まれたのが「副業・兼業」だ。
かつて、企業は様々な理由で「副業・兼業」を禁止をしていた。
しかしながら、現在は政府が副業を奨励している。この流れは、止まらないどころか、日々加速している。
加速の要因は経済問題だ。それはボトルネツクとなっていってもいい。
それはなぜか?
そもそも「人口減少」と向き合うことになるからだ。労働力の中核を成す生産年齢人目(15~64歳)は2,000年がピーク。足元では年々減少し、40年後のは、2,000年比で3割減となる見通しだ。
要するに、労働力不足の解消策としては「副業・兼業」が確実性がある。たしかに外国人労働行の受け入れ、高齢者の就労促進の道もある。とはいえ、高い生産性維持するのは、働ぎ盛り世代が仕事をすることが結果としてつながる。
このように、政府が勤労世代の副業を推奨することは「社会全体の労働力を維持したい!」という観点からといえる。
ステップ1-1 揺れ動く「副業・兼業」、解禁へ向けての変化とは?
まずひとつ目は「副業・兼業を希望する者は年々増加傾向」と、いうことだ。
その理由は、何か。
自分がやりたい仕事であること、スキルアップ、資格の活用、十分な収入の確保等が理由だ。
実際「形態」も、正社員、パート・アルバイト、会社役員、起業による自営業主など、様々である。企業も受け入れ体制を強化する必要がある。
しかしながら、多くの企業では、副業・兼業を認めていない。
企業が副業・兼業を認めるにあたっての課題・懸念材料があるからだ。
たとえば自社での業務がおろそかになること、情報漏洩のリスクがあること、競業・利益相反になることだ。
そのうえ副業・兼業に係る就業時間や健康管理の取扱いのルールが分かりにくいとの意見もある。
たしかに副業・兼業自体への法的な規制はない。厚生労働省が平成29年12月時点の「モデル就業規則」は、労働者の遵守事項に「許可な<他の会社等の業務に従事しないこと」という規定している。
ステップ1-2 それでも「副業・兼業」が制限される4つの項目
労働者が労働時間以外の時間をどのように利用するかは、基本的には労働者の自由だ。
そうはいっても、何でも、かんでも、労働者の自由には、ならない。
ならば「副業・兼業」が制限される場合は、どういったケースか。
引き続き、解説しょう。
各企業での制限が許されるのは、次の4項目だ。
☑労務提供上の支障となる場合
☑企業秘密が漏洩する場合
☑企業の名誉一信用を損なう行為や信頼関係を破壊する行為がある場合
☑競業により企業の利益を害する場合と考えられる。
ステップ2 副業・兼業をバッサリ斬る。こっそり教える、課題とメリット
どのような改革でも、課題はある。当然メリットもある。
これまでの社会のながれの「副業・兼業」を禁止に対して、解禁へ向けての動きを受け入れなければならない。
特に長く会社経営をしてきた事業主は、この切り替えのが難しいかもしれない。
そこでで、ここでは、課題とメリットを、チェックしてみる。
ステップ2-1 副業・兼業 労働者のメリット
☑ 離職せずとも別の仕事に就<ことが可能となり、スキルや経験を得ることで、労働者が主体的にキャリアを形成することができる。
☑ 本業の所得を活かして、自分がやりたいことに挑戦でき、自己実現を追求することができる。
☑ 所得が増加する。
☑ 本業を続けつつ、よりリスクの小さい形で将来の起業・転職に向けた準備・試行ができる。
ステップ2-2 副業・兼業 企業のメリット
次の企業側のメリットだ。これも4点ある。
☑ 労働者が社内では得られない知識・スキルを獲得することができる。
☑ 労働者の自律性・自主性を促すことができる。
☑ 優秀な人材の獲得・流出の防止ができ、競争力が向上する。
☑ 労働者が社外から新たな知識・情報や人脈を入れることで、事業機会の拡大につながる。
ステップ2-3 副業・兼業 労働者のデメリット
一方、労働者のデメリットは3点だ。
☑ 就業時間が長くなる可能性があるため、労働者自身による就業時間や健康の管理も一定程度必要である。
☑ 職務専念義務、秘密保持義務、競業避止義務を意識することが必要である。
☑ 1週間の所定労働時間が短い業務を複数行う場合には、雇用保険等の適用がない場合があることに留意が必要である。
ステップ2-4 副業・兼業 企業のデメリット
☑ 必要な就業時間の把握・管理や健康管理への対応
☑ 職務専念義務、秘密保持義務の確認
☑ 競業避止義務のチェック
ステップ2-5 働き方改革の、至上命題なのか。
副業・兼業は、社会てみれば、オープンイノベーションや起業の手段としても有効だ。
都市部の人材を地方でも活かすという観点から地方創生にも資する面もある。
これらを踏まえると、副業・兼業を行う理由は、やりたい仕事、十分な収入の確保等さまざまだ。
なぜなら業種や職種によって仕事の内容、収入等も様々な実情がある、からだ。
しかしながら自身の能力を一企業にとらわれずに幅広く発揮したい、スキルアップを図りたいなどの希望を持つ労働者がいる。
こうした労働者は、長時間労働、企業への労務提供上の支障や企業秘密の漏洩等を招かないよう留意する必要がある。
企業は個人事業主としての働き方をふくめ、幅広く副業・兼業を行える環境を整備することが重要だ。
ステップ3 「副業・兼業」を成功させる!企業の対応方法
こうした変化の中、副業を認める企業も少しずつ出ている。
裁判例をふまえても、副業・兼業を認める方向へスタートをきることが望ましい。
すすめていく中で、まず押えておきたいのは、保険制度だ。
ステップ3-1 雇用保険のチェックポイント
雇用保険制度において、労働者が雇用される事業は、その業種、規模等を問わず、て適用事業(農林水産の個人事業のうち常時5人以上の労働者を雇用する事業以外の事業については、暫定任意適用事業)だ。
このため、適用事業所の事業主は、雇用する労働者について雇用保険の加入手続きを行わなければならない。
ただし、同一の事業主の下で、①1週間の所定労働時間が20 時間未満である者、②継続して31日以上雇用されることが見込まれない者については被保険者とならない(適用除外)。
また、同時に複数の事業主に雇用されている者が、それぞれの雇用関係において被保険者要件を満たす場合、その者が生計を維持するに必要な主たる賃金を受ける雇用関係についてのみ被保険者となる。
ここは押えておこう。
ステップ3-2 社会保険のチェックポイント
社会保険(厚生年金保険及び健康保険)の適用要件は、事業所毎に判断する。
したがって複数の雇用関係に基づき複数の事業所で勤務する者が、いずれの事業所においても適用要件を満たさない場合、労働時間等を合算して適用要件を満たしたとしても、適用されない。
意外かもしれないが。。ここは労働者へ、あらかじめに周知させること。
また、同時に複数の事業所で就労している者が、それぞれの事業所で被保険者要件を満たす場合、被保険者は、いずれかの事業所の管轄の年金事務所及び医療保険者を選択し、当該選択された年金事務所及び医療保険者において各事業所の報酬月額を合算して、標準報酬月額を算定し、保険料を決定する。
会社としては、労力がいる。労務管理担当者を選任し、運用することがいいだろう。
そのうえで、各事業主は、 被保険者に支払う報酬の額により按分した保険料を、選択した年金事務所に納付(健康保険の場合は、選択した医療保険者等に納付)することとなる。
ステップ3-3 労災保険の給付(休業補償、障害補償、遺族補償等)のチェックポイント
事業主は、労働者が副業・兼業をしているかにかかわらず、労働者を1人でも雇用していれば、労災保険の加入手続を行う必要がある。
アルバイトが一人でも、加入手続きをすることになる。
「パート、嘱託社員などの雇用形態の場合は、労災保険加入手続きは、しなくてもOk!」、なんていうサイトも見たことがある。。、これは誤りだ。
なお、労災保険制度は労働基準法における個別の事業主の災害補償責任を担保するものだ。
その給付額については、災害が発生した就業先の賃金分のみに基づき算定している。
また、労働者が、自社、副業・兼業先の両方で雇用されている場合、一の就業先から他の就業先への移動時に起こった災害については、通勤災害として労災保険給付の対象となる。
注意しておこう。
(注)事業場間の移動は、当該移動の終点たる事業場において労務の提供を行うために行われる通勤であると考えられ、当該移動の間に起こった災害に関する保険関係の処理については、終点たる事業場の保険関係で行うものとしている。(労働基準局長通達(平成18 年3月31 日基発第0331042 号))
ステップ3-4 業務支障の有無を精査することで、忘れては、いけないこと?
副業・兼業を禁止、一律許可制の企業は、業務支障の有無を精査することだ。
事情がない場合、所定労働時間以外は希望によって原則、副業・兼業を認めることを検討する必要がある。
実際に副業・兼業を進めるうえでは、双方が納得感するため、コミュニケーションをとることが重要だ。
あなたの会社は、大丈夫か。
一方的の指揮命令するだけで、労働者からの話を聞き入れる体制はあるか。ここが社内でも協議しておくこと。
運用上では副業・兼業を認める場合、労務提供上の支障や企業秘密の漏洩等がないか、長時間労働の配慮から副業・兼業の内容を申請・届出させることは不可欠だ。
というのは、守秘義務、労働時間の通算、健康状態の把握にも企業「目」を向けなければ、ならないからだ。
今後、各企業における検討にあたっては、厚生労働省が改定したモデル就業規則の規定をチェックして、準備をしてほしい。
【厚生労働省】モデル就業規則
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/zigyonushi/model/index.html
兼業・副業を通じた創業・新事業創出に関する調査事業研究会提言
最後まで、お付き合いいただき、ありがとうございました。
あなたの会社の、改善の一助になれば幸いである。
渋谷の社会保険労務士の高山英哲でした。
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