渋谷区の社会保険労務士です
こんにちは、高山英哲です。
あなたと、今回学ぶことは「飲食業,外食産業の「過労死等」を防止、7つステップで取組む方法」である。
もちろん、今日から勉強して、今すぐ実行するべき、ということではない。
店舗で協議を十分してからで大丈夫だ。
飲食業・外食産業に限らず、「過労死等」の問題は悩ましい。
ほとんどの人事総務担当者は「過労死」などの言葉、一度は、耳にしたことがある。
あなたも、聞いたことは、あるだろう。
そして、あなたは、今このように思っていないだろうか?
「過労死等」といわれても、「ピーン」とこない。。だとすると、どういうことが言えるのか。
そう、お互いに「うちの店舗は関係なでいしょ」と言い合うことになる。
でも、あなたは、いち早く気がつかねばならない。
「うちの店舗は関係なでいしょ」と言う暇があったら、一刻も早く対策を考えることを。
そこで、今回は、実行の事例、疲労度チェックリストも触れる。
あなたと一緒に、ステップ・バイ・ステップで、勉強をしていく。
人事労務の知識があまりない方、実務経験のあさい方でも大丈夫。
約4分間、続けて読んでいただき、そのまま理解できる。
特に今まで「過労死」を全く、知らない人は、必ず大きな知識を得るはずだ。
早速、すすめていくことと、する。
ステップ1=「過労死等」の正体を理解する
それでは、そもそも「過労死等」とは、何か。
その答えは、「業務における過重な負荷による脳・心臓疾患や業務における強い心理的負荷による精神障害を原因とする死亡やこれらの疾患」、のことだ。
1-1 過労死等の定義
なお、過労死等の定義は次のとおりだ。
●業務における過重な負荷による脳血管疾患こむ臓疾罘を原因とする死亡
●業務における強い心理的負荷による精神障害を原因とする自殺による死亡
●死亡には至らないが、これらの脳血管疾患・心畷疾患、精神障害
1-2 長時間労働と過労死等の関係
長時間にわたる過重な労働は疲労の蓄積をもたらす「最も重要な要因」と、考えられる。
なぜか?その理由は、脳・心臓疾患との関連性が強いという医学的知見が得られているからだ。
脳・心臓疾患に係る労災認定基準においては、週40時間を超える時間外・休日労働がおおむね月45時間を超えて長くなるほど、業務と発症との関連性が徐々に強まる。
さらに発症前1か月間におおむね100時間又は発症前2か月間ないし6か月間にわたって1か月当たりおおむね80時間を超える時間外・休日労働が認められる場合は、業務と発症との関連性が強いと評価できるとされる。
あなたならば、今述べた、関連性は理解できるだろう。
また、業務における強い心理的負荷による精神障害で、正常の認識、行為選択能力や自殺行為を思いとどまる精神的抑制力が著しく阻害され、自殺に至る場合があるとされている。
ここは押さえておこう。
ステップ2=過労死等防止は喫緊の課題とは。
労働者の心理的負荷を軽減していくことは急務だ。
その理由は「過労死等の原因の一つである長時間労働を削減する」ことでし、仕事と生活の調和(ワークーライフーバランス)を図れるからだ。こうすることで、労働者の健康管理に係る措置を徹底し、良好な職場環境(職場風土を含む)を形成することができる。
ちなみに、国は将来的に過労死等をゼロとすることを目指し、次の3点の目標を掲げている。
○週労働時間60時間以上の雇用者の割合を5%以下に(平成32年まで)
○年次有給休暇取得率を70%以上に(平成32年まで)
○メンタルヘルス対策に取り組んでいる事業場の割合を80%以上に(平成29年まで)
また、平成29年度を目途に「全ての都道府県でシンポジウムを開催するなど、全国で啓発活動が行われるようにする」「身体面、精神面の不調を生じた労働者誰もが必要に応じて相談することができる体制の整備を図ること」を目指すこととされている。
ステップ3=過労死等を防止する、会社が取り組むべきことは、何か。
あなたは、「過労死等」の正体、定義、課題を理解できた。もっと深く、一緒に考えていこう。
それでは、過労死等を防止するために、事業主が取り組むべきことは、何か?
その答えは「労働基準や労働安全衛生に関する法令の遵守」だ。
3-1 事業主が講ずべき措置の姿
労働契約法第5条では「使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする」と規定されている。
さらに労働安全衛生法第3条第1項では「事業者は、職場における労働者の安全と健康を確保するようにしなければならない」と規定されている
要するに、職場における取組としては「労働基準や労働安全衛生に関する法令を、事業主が遵守する」ことが重要ということだ。
また、過労死等の主な原因の一つである長時間労働の削減や、賃金不払残業の解消、年次有給休暇の取得促進のためには、単に法令を遵守することに加えて考えるべきだ。
それは何か?「仕事と生活の調和(ワーク・ライフーバランス)のとれた働き方」ができる職場環境を、つくることだ。
働き過ぎによる健康障害を防止するため、メンタルヘルス対策や生活習慣病の予防などの健康づくりなどへの取組も重要だ。こうした取組は、企業価値を高めることにつながる。
一方、過労死等を発生させた場合は、その価値を下げることになる。当然、企業経営に多大な影響を与えかない。
このことから過労死等の防止のためには、事業主はもちろん、それぞれの職場を実際に管理する立場にある上司も理解を深めることが重要です。
ステップ4=過労死等防止のための、具体的な方法
あなたは、過労死等の防止は喫緊の課題となっていることを、理解できた。ここからは、長時間労働の削減をはじめとする取組方法を紹介することとする。
4-1 長時間労働の削減に向けて、事業主が取り組むべきことは?
長時間労働の削減に向けて、事業主が取り組むべきことは、何か。それは時間外・休日労働協定の内容を労働者に周知し、週労働時間が60時間以上の労働者をなくすよう努めることだ。
4-2 「適正な労働時間の把握」
労働基準法により、使用者は労働時間を適切に管理する責務を有している。ゆうに、まず労働者の労働時間の適正な把握を徹底することだ。現状では割増賃金の未払いや過重な長時間労働といった問題など、使用者が労働時間を適切に管理できていないケースも見られる。
4-3 時間外・休日労働協定(36協定)の周知徹底
会社が法定労働時間(原則、1日8時間、週40時間)を超えて時間外労働させる場合、または休日労働をさせる場合には、労働基準法36条で明示されいる。
このなかで36協定を過半数労働組合(無い場合には過半数代表者)と締結し、労働基準監督署に届け出ることが義務づけられている。
労働者に対して、労働基準法を周知することはもとより、36協定が適切に結ばれるよう過半数代表者(過半数代表者に選出されうる労働者)に対しても、周知等を行うことが重要だ。
なお、届け出られた協定は見やすい場所へ掲示するなどの方法により、労働者に周知することを怠ってはならない。
4-4 週労働時間が60時間以上の労働者をなくすこと
平成32年までに週労働時間60時間以上の雇用者の割合を5%以下とする国の目標が定められている。ゆえに目標を踏まえて、長時間労働の削減に努めまていく必要がある。
さらに長時間労働を削減するためには、労働時間等設定改善指針に規定された各取組を行うことが効果的だ。
ステップ5=働き過ぎによる健康障害を防止するために必要なメッソドは?
続いて働き過ぎによる健康障害を防止するために必要なメソッドは何か。事業者は労働者の健康づくりに向け積極的に支援すること、労働者は自らの健康管理に努めることだ。
5-1 睡眠時間の確保および健康づくり
過重労働による健康障害の防止のために、時間外・休日労働時間の削減、労働者の健康管理に係る措置の徹底を図ることが必要だ。
必要といえる要因は、何か?
労働者の必要な睡眠時間を確保し、生活習慣病の予防などの健康づくりつながるからだ。
また、裁量労働制対象労働者や管理・監督者についても、事業主に健康確保の責務がある。それゆえ労働安全衛生法令に基づき、医師による面接指導等の必要な措置を講じなければならない。
以上述べたことは、労働者も睡眠時間の確保や健康管理の観点から考えれば、容易に理解できるだろう。
5-2 働き方の見直す方法
事業主はワークーライフーバラソスのとれた働き方ができる職場環境づくりを推進は不可欠だ。それゆえ使用者と労働者で話し合って計画的な年次有給休暇の取得などに取り組むべきだ。
過労死等の防止のためには、単に法令を遵守するだけではなく、これまでの働き方を改め、仕事と生活の調和(ワークーライフーバランス)のとれた働き方ができる職場環境づくりを進めることが必要だ。
長時間労働や休日出勤、休暇が取得できない状態などが続くと、労働者の健康状態や精神状態だけでなく、仕事への意欲や効率の低下にもつながる。
このことから仕事にやりがい・充実感を得ながら責任を果たすためには、適切な労働時間で効率的に働き、休暇を取得できる職場環境・業務体制の構築が不可欠だ。
5-3 年次有給休暇の取得促進
年次有給休暇とは①6か月間の継続勤務②全労働日の8割以上の出勤という条件を満たした労働者(パート・アルバイトも同様)が休暇を取得できる権利である。
よって労使で話し合って、年次有給休暇の計画的な取得を推進することは、効果がある。
年次有給休暇取得率を70%以上(平成32年まで)とする国の目標が定められていることからも、積極的のアクションとしてすすめてほしい。
5-4 心の健康を保つために取り組むべきことは?
心の健康を保つために取り組むべきことは何か。
事業主は「メンタルヘルス対策を積極的に推進する」ことであり、労働者は「ストレスチェックにより、白身のストレスの状況に気づき、セルフケアに努める」ことである。
5-5 メンタルヘルスケアが重要性
メンタルヘルスケアが重要な理由は、「仕事や職業生活に関することで強い不安、悩み、ストレスを感じている労働者の割合」が5割を超えているからだ。心の健康を保つためには労働者自身がストレスに気づき、これに対処することが必要だ。
さらにメンタルヘルス不調等の場合、職場の上司・同僚が不調のサインに気づき、必要に応じて専門家等につなげることも重要である。いえに事業主がメンタルヘルスケアのための体制づくりや労働者等への教育・情報提供を計画的に実施することが重要だ。
こうした要因でメンタルヘルス対策に取り組んでいる事業場の割合を80%(平成29年まで)とする国の目標が定められている。
5-6 平成27年12月から、毎年1回労働者を対象に検査(ストレスチェック)を実施すること
職場におけるメンタルヘルス対策を推進するため、平成27年12月から、毎年1回労働者を対象にストレスの程度について検査(ストレスチェック)を実施し、高ストレス者で必要な者に対して医師による面接指導を行うことが事業者の義務となった(労働者数50人未満の事業場は当分の間、努力義務)。
こうしたことで、労働者はストレスチェック結果により、自身のストレス状況に気づき、セルフケアに努める必要がある。
ステップ6=あなもできる、パワハラの予防と解決方法
あなたの会社でも、あるかもしれない。職場のパワハラ。これの予防と解決策は、何か?
事業主はトップによる「メッセージの打ち出しや職場内のルールづくりに取り組む」こと。そして労働者は「悩みを共有する」ことだ。
6-1 予防対策と相談・解決の場づくりで職場のパワーハラスメントを防止
同じ職場で働く者に対して、職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為をパワーハラスメント(パワハラ)という。
パワハラが原因で、うつ病などのメンタルヘルス不調になることも、ある。
パワハラはいったん事案が発生すれば、その解決に時間と労力を要するため、まずは問題が発生しないよう予防対策を講ずることが不可欠だ。労働者は自身がパワハラの当事者とならぬように、気を付けるのはもちろん。パワハラを受けた場合は1人で悩みを抱え込まないことが重要だ。
6-2 パワーハラスメントの予防の5つの方法
1つ目:トップのメッセージ
・組織のトップが、職場のパワーハラスメントは職場からなくすべきであることを明確に示す
2つ目:ルールを決める
・就業規則に関連規定を設ける、労使協定を締結する
・予防・解決についての方針やガイドラインを作成する
3つ目:実態を把握する
・従業員アンケートを実施する
4つ目:教育する
・研修を実施する
5つ目:周知する
・組織の方針や取組について周知・啓発を実施する
6-3 パワーハラスメントの解決を考察 2つの方法
1つ目:相談や解決の場を設置する
・企業内・外に相談窓口を設置する。職場の対応責任者を決める
・外部専門家と連携する
2つ目:再発防止のための取組
・行為者に対する再発防止研修等を行う
6-4 過労死等の危険に備えて取り組むべき対策は?
労働者は白身の不調に気がついたら、周囲の人や専門家に相談すること。さらに事業主は労働者が相談に行きやすい環境づくりが必要だ。
上司・同僚が労働者の不調の兆候に気づき、産業保健スタッフ等につなぐことができることがベストな方法である。
あなたの会社では、どうか?
もし、まだであったら、相談に行きやすい環境を構築してほしい。
国や民間団体により相談窓口が多く設置されている。ゆえに事業主はこうした窓口の周知すること。
また、職場において労使双方が過労死等の防止のための対策の重要性を認識し、労働者が過重労働や心理的負荷による自らの身体面、精神面の不調に気づく体制づくりも不可欠だ。上司、同僚も労働者の不調の兆候に気づき、産業保健スタッフ等につなぐ体制。今日からでもすすめてほしい。
ステップ7=過労蓄積の自己診断チェックリストで、疲労度を、把握する
疲労が蓄積すると心身の健康状態の低下を招き、健康障害を引き起こすことがある。
このチェックリストを活用して、あなたの仕事による疲労蓄積度を把握してほしい。
改善の一助になれば幸いである。
4分。。いや、じっくり読んだら7分くらい経過したかも、しれません。。
最後まで、お付き合いいただき、ありがとうございました。
渋谷の社会保険労務士の高山英哲でした。
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